Lemon
大切な大切な友人が逝ってしまいました。
彼女は20年前に勤めていた職場の同僚で、可愛くて少し生意気な妹のような存在でした。
海外を飛び回りながら、日本のすばらしさを各国で伝える仕事をしていました。
彼女から病気のことを聞いたのは約2年ほど前。
あっけらかんと、笑いながら話してくれたのは、きっと心配性の私のことを気遣ってくれたからでしょう。
「でも、今は元気だから心配しないで」
「私は絶対負けん」
私の目をしっかりと見つめ、強い口調で自分に言い聞かせるように…そう言いました。
病気のことはごく限られた数人にしか伝えていないし、伝えるつもりはない。と言った彼女は、
20年前の不安症で寂しがり屋だった面影はなく、凛とした彼女のたたずまいと目の強さに、私は一瞬うろたえたのを覚えています。
それから何度か食事に行ったりお茶に行ったり、カラオケに行ったり、トリートメントさせてもらったり、、、治療をする傍ら会っていました。
つらい治療している期間であっても変わらず凛とした彼女に、尋ねたことがあります。
「昔のあなたと比べると、今のあなたはとても強そうにみえるけど?」
つぶされてしまいそうな不安の中にいるはずの彼女にとって、酷な質問だったと思います。
すると、彼女は笑いながら言いました。
「正直コワイ。でもそれに負けたくない。他人に気を使いすぎたら、そのぶん自分がブレる。
今は自分がどう在りたいかだけ見つめたい。
だから他人がどうとか、もうどうでもいい。自分がどう在りたいかだけ見つめてるだけ」
・・・と。
その時の私は、彼女の気迫に飲み込まれてしまった私は、
「そっか・・・」
としか言えませんでした。
そんな私に
「誰かにどう思ってほしいかなんて考えながら生きるの。やめた」
「私は私の大切な時間を大切な人と過ごす」
「これ、ねえちゃん(←私の事)から教えてもらった(笑)」
そう言って、大きな声で笑いました。
いま、その彼女がいなくなってとても寂しい。
寂しさにつぶされそうになる。
「なぜあの時もっと。。。」
と後悔の気持ちが頭を回る。
彼女が残してくれた言葉を一所懸命思い出そうとしているけれど、
まだ少ししか思い出せない。
涙が出て止まらない私を、彼女は指さして意地悪な目で笑っていそうな気もする…
さみしい。
彼女と言った最後のカラオケで何度も米津玄師のLemonを歌ってた。
歌詞を読むと切なくなる。
だけどその反面、曲を聴いていると不思議と私も頑張らなくちゃ。とも思う。
彼女の生き方。彼女が私に教えてくれたこと。
大切にしたい。
「他人のことを気にしすぎて自分がブレたら本末転倒(大笑)」
私が教えたと言った彼女の生き方から、今度は私が教えてもらった気がする。
ありがとね。
また語ろうね。
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